尾島陽子 オペラ アリア アルバム
"
Opera al fresco" in New York

このCDは、私がニューヨークで主演したオペラのライブ演奏から抜粋し纏めたものです。演奏はニューヨーク・グランド・オペラのセントラル・パークに於ける野外公演からの録音です。所々、雑音が聞こえてきますが、野外オペラの雰囲気を想像しながら聴いて下さい。

ここニューヨークで、指揮者のヴィンセント・ラ・セルヴァ氏とジュリアード音楽院で巡り会い、多くの演奏の機会を与えられ、音楽的にも、演奏家としてのプロフェッショナリズムにも、音楽家としての生き方にも、計り知れない影響を受けました。もう一人、私を何時も”Coraggio”と言って励ましてくれたメトロポリタン・オペラでコーチをしていた故ディック・マルツォッロ氏。世紀のテナー、ジーリや指揮者のトスカニーニ等と共演した経験から滲み出て来る本物の音楽。当時すでに80歳近い彼から「元気出せ!」と言われていた私はズーッと若いはずなのに.....。このニューヨークで尊敬出来る音楽家達に出会えた事は、私の人生の宝物です。

尾島陽子 オペラ アリア アルバム
「オペラ アル フレスコ」 イン ニューヨーク

ニューヨーク市セントラル・パークでの野外オペラの生演奏から収録
オーケストラ:ニューヨーク・グランド・オペラ・オーケストラ
指揮:ヴィンセント・ラ・セルバ
テノール:アノトニオ・ブオナウロ
バリトン:リー・ロイソン、ポール・アキノ、ウイリアム・ダイト
メゾ・ソプラノ:ロレーン・ディシモーネ バス:マイケル・ハヤック

蝶々夫人 - ジャコモ・プッチーニ作曲
1
「彼は大きな心で]〜「ある晴れた日に」- 蝶々さん
5:38
2
「魅力的な瞳の少女よ」- ピンカートン、蝶々さん
9:45
3
「港で大砲の音が...」〜
4:26
4
「花の二重唱」- 蝶々さん、スズキ
2:16
5
「死んで名誉を」〜「可愛い坊や」- 蝶々さん
5:24
ラ・ボエームージャコモ・プッチーニ作曲
6
「ええ、私はミミと呼ばれています」- ミミ
4:09
7
「あなたの愛に別れましょう」- ミミ
2:44
群盗 - ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
8
「天使の様な眼差し」- アマーリア
3:29
9
「カルロが生きてるって?」- アマーリア
2:45
10
「アマーリア! 私は貴女を愛してます」〜
4:34
11
「生意気なやつ!」- フランチェスコ、アマーリア
3:00
リゴレットージュゼッペ・ヴェルディ作曲
12
「お父様、さようなら」- ジルダ、リゴレット
2:19
13
「空の向こうへ」- ジルダ、リゴレット
2:52
一日国王 - ジュッゼッペ・ヴェルディ作曲
14 「何故に」- ポッジョ侯爵夫人 3:13
椿姫 - ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
15 「何時も自由に」- ヴィオレッタ 3:23
16 「何て書いたらよいの?」- ヴィオレッタ、アルフレード 2:52
17 手紙〜「さようなら、過ぎ去った日々」- ヴィオレッタ 3:52
18 「この形見を」- ヴィオレッタ、アルフレード、ジェルモン、アンニーナ 4:11

各々のオペラには個々の公演での思い出が有ります。

ニューヨーク・デビューで「蝶々夫人」の「ある晴れた日に」を歌い終わった時、客席の後ろの方から押し寄せて来る様な歓声と拍手に私自身驚きと感動を覚え、その拍手にどれ程勇気付けられたか知れません。「群盗」では、128年振りのニューヨーク公演とあって、FM放送WQXRにも取り上げられ、New York Timesにも好い批評が出た一方、News Dayには当時騒がれていたフィリッピンの元大統領夫人イメルダ・マルコスの様だと書かれ、マスコミの両面を見た思いでした。「ラ・ボエーム」のミミは私の一番好きな役です。愛する人達に見守られてこの世を去る。だからラスト・シーンは涙を誘うのでしょう。毎回会場からすすり泣きが聞こえてきました。「リゴレット」は主人の嫌いなオペラです。と言うのは、ジルダが意味も無く身代わりとなって死ぬのが見るに耐えないのだそうです。「椿姫」は言わばプリマドンナ・オペラで、日本でも歌う機会がありましたが、東京とニューヨークの色々な意味での違いを身にしみて感じたオペラでした。たった一つ、最後に殺されたり病死しなかったオペラは「にせ国王の一日」。これはヴェルディの作品には珍しい喜劇です。

と言う訳で、私は公演の度に、最後は無事に死ねて「ホッ」としていました。

一方、プライベート生活では主人巌の献身的な理解に支えられて歌い続ける事が出来ました。このCDを主人巌の還暦のお祝いに、化学者としての尾島巌だけでなく尾島陽子の夫としての一面に、妻から感謝の気持ちを込めて送ります。

尾島 陽子